99年前、島根の貧農の次男として生まれた長吉(草彅剛)は、困窮する家計を助けるため、出稼ぎの手段として渡米を決意するだが、その決意の裏にはアメリカで一旗あげるという秘めたる夢があった。19歳の長吉は大きな夢を胸に、アメリカ行きの船に乗り込む! およそ1ヶ月に及ぶ船旅。辿り着いたアメリカの身元引受人の家は、粗末な小屋だった。そして、「日本人は働きすぎるから」と、勤勉な日本人に仕事を奪われることを恐れたアメリカ人は排日運動を起こしていて、長吉にはアメリカ人農場の仕事はなかった。初めて飲むコーヒーの苦さに、アメリカに賭けた夢の苦さをダブらせる長吉。渡米早々から味わう挫折。しかし、長吉は不屈の根性でへこたれずに、毛布一枚に全財産をくるみ、家もなく農場を転々とする季節労働者として、必死に働き続けた。流した汗のしょっぱさは、自分を裏切らないと信じて…。 時は流...